リトミックPLP「頭の中のイメージを身体で表現してみよう」
リトミックでは、“聞こえてきた音に合わせて動くこと”や、それとは反対に“動きに合わせて音を創り出すこと”などの経験をたくさんします。
私たちは日常生活を送る中で「音」というものは無意識に耳から入ってきますが、リトミックではその「音」に意識を向け、意識して聞いてみる、そこからどのような雰囲気を感じ取り、感じ取ったものをどのように表現してみたいのかを考えます。
リトミックの時間は、子どもたちにとって、「音」とじっくり向き合ってあそべる楽しい時間です。
その中で特に大切にしていることは“イメージを持つ”ということです。
例えば音楽には、「強い」「弱い」「速い」「遅い」「明るい」「暗い」などさまざまなニュアンス(表情)がありますが、
それらの音楽のニュアンスと、子どもたちが頭の中で感じるイメージとを結びつけることが出来ると、「こんな風に動いてみたいな」といった自由な身体表現へと繋げていくことができます。
<動物ごっこでリトミック>
子どもたちは、動物や乗り物、食べ物、季節などの身近なものを想像した真似っこごっこが大好きです。
例えば「動物ごっこ」という活動では、聴こえてきた音楽からいろいろな動物のイメージを膨らませ、その動物の動きを表現します。
★例:「ぞう・うさぎ・ねずみ」を使って
ぞうさんは「どっしん、どっしん(大股歩き)」
うさぎさんは「ぴょん、ぴょん、ぴょん(ジャンプ)」
ねずみさんは「ちゅちゅちゅちゅ(しゃがんで)」
一見、ただ動物のまねっこごっこをしているだけにみえるかもしれませんが、子どもたちは動物になっている時間は素晴らしいイマジネーションタイムであり、音楽の表情を自分なりに感じ取りながら、音と一体となって自由に表現することを全身で楽しんでいます。
動物ごっこを音楽的な観点からわかりやすく表すと、下記の図のような関係性が見えてきます。
★ニュアンス【ダイナミクス(強弱、軽重)・テンポ(速さ)・スペース(空間)】の関係性
<音楽的要素の知的理解へと繋がる>
4歳頃からは、これまで身体表現によって覚えたニュアンスの感覚を、今度は音符に置き換えてみたり、
リズム(音の時間的な長さ)に意識を向けてみたりと、音楽的要素の知的理解へと繋げる活動も取り入れていきます。
★例:リズムカード(動物の動きを音符に置き換えて)
「イメージ」とは、頭の中で想像するものですが、身体表現を通して具体的に視覚化することにより、創造性や想像性がより豊かに養われていきます。
また、クラスのお友だちと一緒にレッスンすることで、「〇〇ちゃんの動き、素敵だな!」「私もあんな風になりたいな!」といった、自分とは異なるお友だちの表現や意思を認め合う気持ちも育まれていきます。
このような経験は将来、自己肯定感の向上や、お互いの違いを認め合い、ありのままに自分を表現することができる力へともつながっていきます。
リトミックのレッスンの一番の良さは、子どもが自ら主体性を持って取り組むことができるというところでしょう。
音楽的な要素もたくさん入っていますが、あそびの中で楽しみながら知らず知らずのうちに自然に習得できてしまうのがリトミックの面白さでもあります。